もしかしたらいつか使える?色々な心理学研究【パスワード・ダウンロード・交渉・仲良くなる】#7

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パスワードの使いまわしは危険

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 米国テキサス州にあるサザン・メソジスト大学のアラン・ブラウンは、人々がどれくらいパスワード設定にこだわっているのかを調べてみました。

 現代人なら、たいていだれでもいろいろなパスワードを設定しなければいけません。

 調査対象者によると、人は平均して88個もパスワードを持っていることがわかりました。

 クレジットカードを何枚も持っているような人は、それだけパスワードも多くなってしまいますから8.18個以上のパスワードを持っている人も多いのではないでしょうか?

 では、10個以上のパスワードを持っている人は、それぞれに違ったパスワードを設定するのでしょうか?

 いえいえ、そんなことはありませんでした。

 ブラウンが調べたところ、すべてにおいてパスワードを変えているのは、わずか7.1%それ以外の人はたいてい同じパスワードを使い回していたのです。

 「全部のパスワードを違うものに設定するのは、面倒でもあるし忘れてしまいそうだから」というのが大きな理由でした。

 ちなみに、カードを発行する会社から割り当てられたパスワードをそのまま使っているという人が2.4%で、自分なりに設定を変える人は6%でした。

 設定を変えることは変えるのですが、同じパスワードをあちこちで使い回すのが普通のようですまた、パスワードを設定するときには、誕生日やニックネームなど、自分に関連するものを選ぶ人が77.6%もいました。

 他人のパスワードを解読するのは、実はそんなに難しくありません。

 先にお話ししたようにその人に関連する単語や数字を適当に入れていけば、かなりの高確率で当たります。

 その上、一度そのパスワードがわかってしまえば、そのまま使い回すことができてしまうのです。

もしかしたらいつか使える?色々な心理学研究#6「交渉・政府・音楽」

交渉において嘘が増えるとき

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 交渉において嘘が最も増えるのは、お互いにフェアな条件で交渉するときです。

 立場が公平なのですから、スポーツと同じように、お互いに全力を出し合います。

 できるだけ自分の利益を上げるために、嘘をついてもかまわないと考えるのです。

 米国イリノイ州にあるシカゴ大学のユーリ・グニージーは、プレーヤーがペアになってお金を分け合うという交渉ゲームをやらせてみたことがあります。

 プレーヤー1に割り当てられた人は、お金を2つに分けて、プレーヤー2に、「Aを選択したほうがキミはたくさんもらえるよ」・「Bを選ぶと、僕のほうがたくさんもらうことになっちゃうよ」といったような提案をすることができした。

 この時、プレーヤー1はいくらでも嘘をついてよいことになっていました。

 もちろん、正直に、「半分ずつお金を分けたよ。嘘じゃないよ」という提案をしてもよいのですプレーヤー2の権利は、プレーヤー1の提案を飲むかどうかを決定することです。

 提案が気に入らないのなら、拒否することもできました。

 また、プレーヤー1が嘘を成功させたときには条件によってさらにボーナスが出ることになっていました。

 その場合、プレーヤー2には、嘘を見抜けなかったということで罰金の損失が出ることになっていました。では、プレーヤー1はどれくらい嘘をついたのでしょうか。

 自分には1ドルのボーナスが出て、相手にはその10倍の損失があるようなときには、嘘は控えられました。

 相手に一方的に損失を与えるのはフェアではない、と思われたのでしょう一方で、自分のボーナスと相手の損失が同じ額の場合には、嘘は増えたのです。

 ウソを成功させた場合に自分がもらえるボーナスと、相手の損失が同じ額なのですから、公平な条件だと言えます。

人と物凄く仲良くなる方法

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「敵の敵は味方」という言葉があります。

 お互いに共通の人を嫌っていると、なぜか親近感が湧いて、その人との仲がより深くなるようです。会社でも、イヤな上司がいると部下の連帯感が強化されることがあります。

 上司が共通の敵となってくれるので、部下同士がとても仲良くなれるのです。

 米国オクラホマ大学のジェニファー・ボッソンは、大学生に「人生で最初にできた親友」について思い出してもらいました。

 それから、その人生初の親友との関係において、「お互いが共通して嫌いだった事柄や人物」あるいは、「お互いが共通して好きだった事柄や人物」についても思い出してもらいました。

 すると、お互いに嫌いだった人の名前を挙げた大学生が16.33%もいたのに対して、お互いに好きだった人の名前を挙げた大学生はわずかに4.56%しかいなかったのです。

 共通して好ききだった人のことは、なかなか思い当たらなかったのですね。

 イヤな人がいるというのは、本当に苦しいことです。

 その人物について考えるだけで、気分滅人ってきてしまうでしょうけれども、同じように「あいつが嫌い」という人を探してみてください。

 探せば、自分と同じょうにその人物を嫌っている人は必ずいます。

運よくそういう人に出会えれば、ものすごく仲良くなれるでしょう人と仲良くなりたいのなら、「共通の敵」を見つけるのが良いアイデアです。

 お互いに、「私、あの人が苦手」「えつ、あなたもじ実は私も」という流れに持っていくことができれば、すぐに親しくなれます。

 現実の世界で「共通の敵」を見つけるのが難しければ、有名人やタレントでもよいかもしれません。

 お互いに嫌いな俳優やお笑い芸人などが見つかれば、やはり同じように親密感が湧くでしょう。

偉い人ほど仏頂面

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 なぜ、偉い人は笑わないのでしょうか?その理由は、愛想良く振るまう必要がないから」と指摘しているのが、米国ミシガン大学のバトリシ・アチェンで、雑誌「USニューズ&ワールド-レポート」によって評価された、全米トップ20のビジネス・スクールの学部長を調べました。

 ただし、3つのスクールの学部長は女性だったので、性別による影響を考慮して、残りの7名の学部長の顔写真を実験に使いました。

 その7名の学部長の顔写真を幻人の判定員に見せて、「どれくらい愛想の良い人だと思いますか?」と尋ねてみました。

 もちろん、判定員たちは彼らがどこの大学の学部長なのかは知りません。

 すると、ランキングの高いビジネス・スクールの学部長になればなるほど、「愛想がない」と判断されることがわかったのです。

 ランキングの低いスクールの学部長は、学内ではトップかもしれませんが、世間的に見ればそうでもないことを自覚しているのか、少しは愛想笑いを浮かべて写真に映ります。

 ところがランキングの高いスクールの学部長はまったくの仏頂面。

 社会的に偉くなればなるほど愛想がなくなる、という仮説が一応のところ確かめられたと言えるでしょう。

 しかし愛想よく振るまう必要がなくなればなくなるほど人は日常生活の中で笑わなくなり、表情が乏しくなっていきます。

ダウンロードに待てる時間はどのくらい?

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 ある時、米国ネプラスカ大学のフィオナ・ナーは、インターネットのユーザーが情報をダウンロードするのにどれくらい待てるのかを実験的に試してみました。

 すると、我慢できる時間はとんでもなく短いことがわかりました。

 なんとわずか2秒待って調べたい情報が出力されずに同じ画面が続くと、もうイライラして検索を打ち切るのです。

 さすがに短すぎると思うのですが、ほかの研究でも、似たような結果が報告されています。

 米国アリゾナ大学のナラヤン・ジャナキラマンは、98名の大学生にゲームをやってもらい、トップ3には50ドルのボーナスをあげます」と伝えました。

 このとき学生はコンピュータでいくつかのジャンルのゲームの中から、自分が好きなゲームをダウンロードしなければならなかったのですが、そのダウンロード時間に差があるようにしておきました。

 待てないときにはストップボタンを押して、違うゲームをダウンロードしてもよいことになっていました。

 調べてみると、たいていの学生はダウンロードに時間がかかると途中でやめました。それも10秒も我慢できていませんでした。

 ちなみに、ダウンロードを待っている間に、注意をそらすものがあると(ディスプレイ上で動くキャラクターがいるなど)、ほんの少しだけ待てる時間は長くなりましたが、それでもたいていは20秒を持たずにストップボタンを押してしまいました。

 現代人はほんの少しの時間も待てないようになっているようです。

 イライラする人が多かったり、キレる人が多かったりするのも、「我慢強くない人」が増えたからかもしれません。

参考文献

・(1)Brown, A. S., Bracken, E., Zoccoli, S., & Douglas, K. 2004 Generating and remembering passwords. Applied Cognitive Psychology, 18, 641-651.

・(2)Gneezy, U. 2005 Deception: The role of consequences. American Economic Review, 95, 384-394.

・(3)Bosson, J. K., Johnson, A. B., Niederhoffer, K., & Swan, W. B. Jr. 2006 Interpersonal chemistry through negativity: Bonding by sharing negative attitudes about others. Personal Relationships, 13, 135-150.

・(4)Chen, P., Myers, C. G., Kopelman, S., & Garcia, S. M. 2012 The hierarchical face:Higher ranking lead to less cooperative looks. Journal of Applied Psychology, 97, 479-486.

・(5)Nah, F. F. H. 2004 A study on tolerable waiting time: How long are web users willing to wait? Behaviour and Information Technology, 23, 153-163.

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