ウクライナとロシアの戦争からみる戦場の兵士が愛国心より「共感・友情」を戦う理由にするわけとは?

 今、ウクライナとロシアは戦争中だが、ウクライナ人の必死の抵抗により、ロシア側は当初の予定を越えて戦い続けることになっているようだ。

 諸外国では連日、ウクライナの戦況とウクライナの愛国心溢れる人々を映している。

 しかし、本当に愛国心からあそこまでの激しい抵抗が出来るだろうか?

 さらにかつては戦争が珍しくない時代もあったが、当時の人々とウクライナの人々にどんな違いがあるだろうか?

 端的な答えは、「違いがない」ということである。

 さて理由を説明するには第2次世界大戦にまで話を遡って進める必要がある。

過去の戦争から兵士の心理を読み解く

 第2次世界大戦が勃発した当時、モーリス・ジャノウィッツという人物が、ナチスの心理の謎を解く仕事を行っていた。

 その理由は1944年の初めころから、科学者たちを悩ませる1つの謎があったからである。

 それは「どうしてドイツ兵はなぜ懸命に戦い続けるのか?」・「なぜ敗北を認めて降参しようとしないのか?」という疑問だ。

「ドイツ軍は東のロシア軍と西の英米の連合軍にはさまれており、数の上でも圧倒されていた。戦場で戦うドイツ兵は、形勢がどれほど不利なのか、わかっていないのだろうか」と連合軍は考えていた。

 はたしてドイツ兵が死ぬまで戦い続ける理由があるだろうか?

 戦争が始まった頃から、多くの心理学者は、軍隊の戦闘能力を決める上で、ある要素が他の要素より際立っていると固く信じていた。

 それが「イデオロギー(思想)」だ。

 たとえば「愛国心」や、自分が選んだ政党への「忠誠心」である。

 歴史を振り返っても、「自分たちは正しい側にいて、自分たちの世界観は正当だ」と確信する兵士たちは、最もよく戦った。

 多くの専門家は基本的に「ドイツ兵は取りつかれている」と考えていた。

 戦後の歴史家の計算によれば、ドイツ国防軍の兵士は「懸命に戦った」せいで、連合軍の兵士に比べて負傷者が500%も多かった。

 そう、ドイツ兵はすべてにおいて優れていた。

 攻撃も防御も、空軍の支援があってもなくても、戦った。

 その様子について英国の歴史家はこう語っている。

「否定し難い真実は、ヒトラーのドイツ国防軍は、第2次世界大戦における傑出した脅威であり、歴史上最も偉大な軍隊の1つであったことだ」

 そしてこのドイツ国防軍の士気こそが、連合国が崩さなければならないものだった。

 モーリスらのチームは、大規模な作戦が必要だと考え、数千万枚の宣伝ビラが敵の領土にばらまいた。

 連合軍のノルマンディ上陸以来、その地に駐留していたドイツ兵の90%にビラは届いた。

 ビラが繰り返し語ったメッセージはドイツの立場は絶望的で、ナチスの思想は卑劣であり、連合国の大義は正しい、というものだった。

 しかし数か月後、解放されたパリで数百人のドイツ人捕虜と面談したところ、ある真実が見えてきた。

 それはモーリスらは完全な誤解をしていたことだった。

 なぜならナチスドイツ兵士はイデオロギーで戦争をしていなかったからだ。

 また彼らは「ドイツは戦争に勝てる」という幻想や、分かりやすい洗脳されてもいなかった。

 ドイツ軍の人間ばなれした戦闘を可能にしたのは、もっと単純なものだったのだ。

 それはKameradschaft(友情)である。

 モーリスが面談した何百人ものドイツ人が戦い続けたのは、ナチスの基本思想である「千年帝国」や「アーリア人種」のためではなく、戦友を救うためだったのだ。

「ナチズムは、前線の10マイル後ろから始まる」と、あるドイツ人捕虜は言った。

 すなわち、すべての地下壕や暫壕で仲間意識が生まれたのだ。

 後の歴史家が見出したように、ドイツ軍の司令官らはそれを利用した。

 ナチの将校は、兵士を団結させるために労を惜しまなかった。

 部隊に新兵が入ると、いったん全部隊を退却させ、十分に友情を育ませた後で、全員を戦場に放り込むといったことまでした。

 ドイツ国防軍における友情の強さを想像するのは、容易なことではない。

 なぜなら、何十年にもわたって、連合国の勇気とドイツ軍の狂気を描いたハリウッド映画に浸ってきたからだ。

 しかしドイツ兵が連合軍の兵士より「深い友情を築いた」とか、ドイツの軍隊が優れていたのは「友情のためだった」といったことを、信じられるだろうか?

 真実の中には、受け入れがたいものもある。

 あのような極悪人たちが、人間の善性によって動機づけられたりするだろうか?

 勇気と忠誠心、献身と団結によって煽り立てられたりするだろうか?

 しかし、それこそがモーリス・ジャノヴィッツが出した結論だった。

 こうして心理戦部門の研究者たちは、プロパガンダ作戦が実質的に何の影響も及ぼさなかった理由を理解した。

 敵陣に撒いた数百万枚のビラの効果について、モーリスとシルズは次のように記した。

「ドイツのイデオロギーを攻撃するために多大な努力が費やされたが、面談した捕虜の中でイデオロギーに言及したのは、わずか5%だった」

 実のところドイツ人捕虜の大半は、ビラが国家社会主義を批判したことさえ覚えていなかった。

 研究者たちが、あるドイツ人軍曹に政治的見解を訊ねたところ、彼は笑い出した。

「そんなことを聞くようでは、何が兵士を戦う気にさせるのか、全くわかってないな」

 確かに戦術や訓練、イデオロギー(思想)が軍隊にとって重要であることは、モーリスたちも理解していた。

 しかし最終的に軍隊の強靭さを決めるのは、兵士間の「友情の強さ」だった。

 友情は、戦争に勝つための武器なのだ。

 この調査結果は戦後まもなく発表され、その後、多くの研究が同じ結論に至った。

 だが決定的な論拠が見つかったのは、2001年のことである。

 米国のシークレットサービスが盗聴した400人ほどのドイツ人捕虜の会話の筆記録を歴史家たちが発見した。

 15万ページにおよぶ筆記録は、ワシントンD.C.郊外のフォート・ハント捕虜収容所に収監された元ドイツ兵会話をタイプ打ちしたものであり、ドイツ国防軍の普通の兵士の生活と心を覗き見る、前例のない窓を開けた。

 この筆記録によって明らかになったのは、ドイツ人がきわめて「軍人らしい気質」を備え、忠誠心や仲間意識や自己犠牲といった特質を、高く評価していたことだ。

 一方で「ユダヤ人排斥」や「イデオロギーの純粋さ」は、小さな役割しか果たさなかった。

 あるドイツ人歴史家は次のように記している。

「フォート・ハントの盗聴記録によると、イデオロギーは、ドイツ国防軍のほとんどのメンバーの意識において従属的な役割を果たしたにすぎない」

 同じことが、第2次世界大戦で戦ったアメリカ人についても言える。

 1949年に社会学者のチームが、アメリカの退役軍人約50万人を対象とする大規模な調査の結果を発表した。

 その調査は、彼らを動機づけたのが「理想」や「イデオロギー」ではなかったことを明らかにした。

 アメリカの兵士は、愛国精神ゆえに奮いたったのではなかった。

 彼らが戦ったのは、国のためというより、仲間のためだった。

 結束は非常に強く、奇妙な反応を引き起こすこともあった。

 兵士は、昇級が、異なる部門への配置換えを伴う場合、それを断わった。

 怪我をしたり病気になったりしても新人に自分の地位を奪われたくなかったので、休暇を拒否した。

 前線に戻るために野戦病院を抜け出す兵士さえいた。

 ある社会学者は驚いて記している。

「兵士が、仲間を見捨てることを恐れて、自分のためにならない行動をとった事例に、わたしたちは何度も遭遇した」

なぜ人間は性善的に進化することで生き残ったのか?

テロへ駆り立てるのも友情

 第2次世界大戦は勇壮な戦いであり、友情と忠誠心と団結、すなわち最善の心が、何百万という普通の男たちを、史上最悪の虐殺へと駆り立てたのだ。

 心理学者ロイ・バウマイスターは「敵は悪意に満ちたサディスト」だという誤った思い込みを「純粋悪という神話」と呼ぶ。

 実のところ、敵はわたしたちと何も変わらないのである。

 これは、テロリストにさえ当てはまる。

 彼らもわたしたちと同じだと専門家は強調する。

 もちろん、自爆テロ犯は極悪人に違いないと、思いたくなる。

 彼らは心理的にも生理学的にも神経学的にも崩壊しきっている。

 彼らは精神病質者(サイコパス)にちがいない。

 学校に行ったことがないか、絶望的な貧困の中で育ったか、平均的な人間とは大いに異なる何らかの理由があるはずだ、と。

 しかし、そうではないと社会学者たちは言う。

 これらの勤勉な科学者たちは、自爆した人々の性格特徴を何マイル分ものデータをエクセルシートで埋めたが、「平均的なテロリスト」などいない、と結論せざるを得なかった。

 テロリストの特徴は、高等教育からほぼ無教育まで富裕層から極貧まで、思慮深さから愚かさまで、信仰心から無神論まで、きわめて幅広かった。

 精神疾患者はほとんどおらず、幼い頃にトラウマを負った者もまれだった。

 テロ行為の後、メディアのインタビューを受けた近隣の住人や知人や友人が、自爆テロ犯は「フレンドリーだった」とか「感じのいい人だった」と答え、驚きを見せることは珍しくない。

 もしテロリストに共通して見られる特徴が一つあるとすれば、それは「影響されやすいこと」だと専門家は見ている。

 彼らは他人の意見に影響されやすい、権威に影響されやすい。

 家族や友だちに、正しいことをしていると見られたいし、そう思われることを行いたい。

 「テロリストは大義のためだけに人を殺したり死んだりするわけではない」と、あるアメリカの人類学者記している。

「彼らは互いのために、人を殺し、自ら死ぬのだ」

 さらに言えば、テロリストは、自分1人でではなく、友だちや恋人と共に過激化する。

 テロリストの小集団の大半は、文字通り「バンド・オブ・ブラザーズ」だ。

 2001年の世界貿易センタービル攻撃には、4組以上の兄弟が関与し、2013年ボストンマラソンの爆破犯は兄弟で、また、2015年にパリのバタクラン劇場を襲撃したサラとブラヒム・アブデスラムも兄弟だった。

 テロリストが仲間と共に行動するのは、不思議なことではない。

 残忍な暴力を振るうのは恐ろしいことだからだ。

 政治家はテロを「臆病な行為」と呼ぶが、実際には命がけで戦うには強靭な神経と決意が求められる。

 スペインのテロ専門家はこう指摘する。

「信頼し愛する人と一緒なら、恐怖を乗り越えられる」

 テロが起きると、メディアは主に、その攻撃を煽ったと思われる病的なイデオロギーに焦点を当てる。

 もちろん、イデオロギーは重要だ。

 イデオロギーはナチス・ドイツにとっても重要だった。

 また、若い頃にアルカイダやイスラム国(ISIS)の指導者は急進的なイスラム主義の本を貪るように読んだ。

(例えばウサマ・ビン・ラディンは読書家として知られている)

 しかし調査からは、こうした組織の末端にる歩兵にとっては、イデオロギーが果たす役割はごくわずかでしかない。

 例えば2013年と2014年にシリアに向かった数千人のジハーディスト(聖戦主義者)を見てみよう。

 彼らの4分の3は、知り合いや友だちに勧誘されてジハードに加わった。

 漏洩したISの意識調査によると、ジハーディストの大半はイスラム教についてほとんど何も知らなかった。

 彼らにとって「宗教は後づけの理由にすぎない」とCIAの関係者は言う。

 理解しなければならないのは、こうしたテロリストの大多数は、熱狂的イスラム教徒ではなかったということだ。

 彼らは互いの親友だった。

 一緒になると、より大きなものの一部になったように感じた。

 自分の人生に意味が生まれるように思えた。

 壮大な物語の著者になったような気がした。

 もちろん、だからと言って彼らの犯罪が許されるわけではない。

なぜ戦争で善人から悪人になるのか?

 また戦場が人を変える1つの例として、第2次世界大戦時のドイツ国防軍兵士は、何よりも互いのために戦っていた。

 そして彼らの原動力は「サディズム」や「血への渇望」ではなく、仲間意識だった。

 さらに戦場で敵と対峙している時でさえも、兵士にとって人を殺すのは難しい。

 それは身近に思える人に危害を加えることの難しさを示している。

 そこには、わたしたちを自制させ、引き金を引けなくする何かがあるのだ。

 また銃撃よりさらに難しい行為を、軍事歴史家たちは発見した。

 その行為とは「人を刺し殺す」ことだ。

 ワーテルローの戦い(1815年)、第一次世界大戦におけるソンムの戦い(1916年)などで、負傷した兵士で銃剣による負傷者は1%に満たない。

 さらに博物館に展示された銃剣も、その多くは未使用に終わった。

 ある歴史家が記している通り、「銃剣でやり合う前に、どちらかの兵士が、他の場所での急務を思い出す」

 しかし現代のアニメや漫画、テレビ、ハリウッド映画は多くの誤解を招かせる。

 例えば『ゲーム・オブ・スローンズ 』のようなテレビドラマや『スター・ウォーズ 』のような映画は、人を患刺しにするのは朝飯前だと視聴者に思い込ませる。

 しかし現実には、人の身体を突き刺すのは心理的に非常に難しい。

 では、過去10000年間で数億人もの戦争犠牲者が出たことを、どう説明すればいいのだろうか?

 この問いに答えるには、法医学的な検査が必要とされる。

 例えば第2次世界大戦で亡くなったイギリス人兵士の死因は以下の通りである。

 その他:1%

 化学攻撃:2%

 爆風、圧死:2%

 地雷、ブービートラップ:10%

 銃弾、対戦車地雷原:10%

 迫撃砲、手楢弾、空爆、砲弾:75%

 なにか気づいただろうか?

 これらの犠牲者を結びつける要素があるとしたら、それは「遠隔操作」によって殺されたということだ。

 兵士の圧倒的多数は、ボタンを押したか、爆弾を落としたか、地雷をしかけた者によって殺された。

 軍事技術の進化を、より遠くから攻撃できるようになる過程として説明することさえできる。

 棍棒や短剣から弓矢へ、マスケット銃や手欄弾から大砲と空爆へ、武器は戦争の主要な問題を解決する方向へと進化してきた。

 その問題とは、人間は根本的に暴力を嫌悪することだ

 相手の目を見ながら、その人を殺すことは、事実上不可能だ。

 私たちが牛肉を食べるのに、自分の手で牛を殺さなければならないなら、多くの人がベジタリアン(菜食主義)になるだろう。

 同様に多くの兵士は、敵に近づきすぎると、良心的な兵役拒否者になる。

 なので古来、戦争に勝つ方法は、遠くからできるだけ多くの人間を攻撃することだった。

 今日ではアメリカ軍含む多数の国がUAV(無人偵察機・無人攻撃機)で戦争を行っている。

 その他の害獣と見なして人間性を否定すると、本当に人間でないかのように扱えるようになる。

 兵士が本来備えている共感力と、暴力に対する嫌悪感を、薬によって弱めることもできる。

 トロイの木馬からワーテルローの戦いまで、朝鮮戦争からベトナム戦争まで、人を酔わせるものの助けなしに戦った軍隊はほとんどない。

 ドイツ軍が3500万錠のメタンフェタミン錠(攻撃性を引き起こす薬)を用いなければ、1940年にパリは陥落しなかった、と学者たちは考えている。

 また軍隊は兵士を「訓練」することができる。

 第2次世界大戦後、アメリカ軍は、仲間意識だけでなく、最も残虐な暴力も賞賛され、声が潰れるまで「殺せ!殺せ!殺せ!」と叫ぶことを強要された。

 今日、兵士の射撃訓練の標的は、紙に描かれた同心円ではなく、現実味のある人影だ。

 加えて、銃の発砲は自動化され、兵士は考えることなく条件反射的に発砲する。

 狙撃手の訓練は、さらに過激だ。

 効果が実証された訓練の一つは、訓練生を椅子に縛りつけ、特殊な装置で目を見開かせ、一連のおぞましいビデオを見させるというものだ。

 わたしたちは暴力に対する生来の嫌悪感を根絶やしにする方法をいくつも見つけている。

 現代の軍隊では、仲間意識はそれほど重要でなくなった。

その代わり、あるアメリカの退役軍人の言葉を借りれば、「兵士たちは作り出された(敵への)軽蔑」を備えている。

 こうした条件づけは成功した。

 この技術で訓練された兵士を、旧式の軍隊と戦わせると必ず後者が粉砕される。

 1982年のフォークランド紛争を見てみよう。

 数ではまさっていても時代遅れのアルゼンチン軍が、訓練を受けてシューティングマシンと化したイギリス軍に勝つ見込みはなかった。

 アメリカ軍も「射撃率」を高めることに成功し、兵士の発砲率は朝鮮戦争では55%だったがベトナム戦争では95%に上昇した。

 しかし、これには代償も伴った。

 訓練で何百万という若い兵士を洗脳すると、彼らが心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負って帰還するのは当然だろう。

 事実、ベトナム戦争後は多くの兵士がそうなった。

 数えきれないほどの兵士が人を殺しただけでなく、彼らの内なる何かも死んだのだ。

 最後になったが、敵と容易に距離をとれる人々が存在する。

 それはつまり指導者のことだ。

 高みから命令を下すだけの軍やテロ組織の指導者は、敵に対する共感を抑圧する必要はない。

 そして、興味をそそるのは、兵士は一般に普通の人間だが、指導者はそうではないことだ。

 テロの専門家や歴史家は「権力者には明らかな心理的特徴がある」と主張する。

 アドルフヒトラーやヨーゼフ・ゲッベルスのような戦争犯罪人は、権力に飢えた偏執的なナルシシストだ。

 またアルカイダやISの指導者は人心操作が巧みなエゴイストで、同情や懐疑といった感情に悩まされることはまれである。

 それは今のロシアを統べるプーチン大統領にも言えることかもしれない。

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