ブルーベリー摂取の真実:心疾患リスク低下からDNA修復までの科学的証拠

 この記事では、「ブルーベリーを食べるとどんな効果があるの?」や「そもそもブルーベリーなんて身近にない」という人に向けて書いています。

定期的に摂取することで脳や体も若返えり、さらにはアンチエイジングといった効果を発揮するブルーベリーについて解説をしていきたいと思います。

ブルーベリーで目は良くならない?

 まず、ブルーベリーについてよく言われている効果が「視力を上げる」というものです。

 この効果について現状の科学的な結論を先に言いますと、まったくの嘘です

 そもそも「目に効く」ようなものは、食べ物どころか栄養成分ですら見つかっておりません。

 唯一の可能性があると思われるのが、ほうれん草などに含まれるルテインですが、まだまだデータ不足で確固たる証拠がある分けではないです。

 そもそも「ブルーベリーで目が良くなる」という話の元ネタは、ある戦闘機のパイロットが使ってたのがそのまま広まったものなので、科学的な研究がベースにあるのではないのです。

 にも関わらず、ラジオやテレビショッピングでは、未だにブルーベリーで「視力が上がる」と言った謳い文句の商品が販売されています。

 では、ここからはブルーベリーを食べることで本当に得られる効果について話をしていきたいと思います。

①ブルーベリーで心疾患リスクが下がる?

 あまり大々的に言われていませんが、ブルーベリーには血液を綺麗にして若返らせてくれる効果が期待されています。

 例えば、イースト・アングリア大学が行った研究で、太り気味でメタボと診断された男女138人が対象(年齢は50〜75歳)。

まずは全体を3つのグループに分け

  • 1日75gのブルーベリーを食べる
  • 1日150gのブルーベリーを食べる
  • 1日150gの偽のブルーベリーを食べる

 6ヶ月ほど過ごしてもらったところ、ブルーベリーを食べたグループは、血管の硬さや血管内皮機能が改善していたと報告されました。

 これはだいたい心疾患リスクが12〜15%低下するのに等しいです。

 また1日75gのブルーベリーでは目立ったメリットは確認されなかったようで、どうやら150gがカギとなっている可能性があります。

 さらに93,600人を対象にした先行研究でも「18年の追跡調査ところ心疾患の死亡率が32%も低下が確認された」とのことです。

 どうやらブルーベリーに心疾患のリスクを減らす力がある可能性は十分にありそうです。

②ブルーベリーでDNAが修復される?

 DNAの修復と言われると少し難しい表現になるかもしれませんが、実はDNAはダメージを受けることがあるのです。

 なぜならDNAも有機化合物であるため、普通の細胞と同じように傷つくわけですね。

 そのおもな原因としては、紫外線・化学物質・タバコ等で、多くの人は1日にひとつの細胞につき10〜50万回ぐらいの損傷が起きてて、そのたびに修復作業が行われいると言われています。

 ところが、DNAの修復にも限度があり、修復が間に合わないと細胞の老化・癌化していまう可能性があるのです

 そして現時点でDNAの損傷に効いてくれそうなのが、ブルーベリーなのです。

 例えば2007年に168名の男女に1日1000mlのブルーベリージュースを飲んでもらったら、4週間でDNA損傷が20%も減っていました。

 さらに2013年には10名の男性に300gのブルーベリーを食べてもらったら、24時間でDNA損傷の量が減っていたが確認され


 2013年には18名の男性に1日25gのブルーベリーパウダーを飲んでもらったら、6週間でDNA損傷が45.8%→37.2%に減っていたと報告されています。

 いずれもDNA損傷が10〜20%ぐらい減っていて、日常的にブルーベリーを摂取する根拠になると思います

③ブルーベリーで記憶力が上がる?

 数あるブルーベリーの効果の中でも、記憶力に関する効果はかなり期待する所ではないでしょうか?

 例えば65才以上の被験者にブルーベリージュースを12週間飲んでもらったところ、言葉がなめらかになり、記憶力が良くなり、幸福感もアップという報告があります

 また、この実験ではインシュリンの分泌が減る効果もあったそうです。

 さらに2012年には、大規模な調査が行われ、70代以上の女性が週に2回ずつブルーベリーを食べたところ、記憶力の衰えるペースが遅くなったとの報告が出ています。

 その理由はまだよくわかりませんが、ブルーベリーはフラボノイドという成分が多い果物であると有名で、これが脳のバリアを通り抜けてニューロンを強くしてる可能性が高いと言われています。

④ブルーベリーの摂取量

 さてここで色々なブルーベリーの効果について話をしてきましたが、一番肝心な部分であるブルーベリーの摂取量について話をしたいと思います。

 多くの研究を参照すると、大体1日に500〜1,000mgのアントシアニンを摂れば良さそうです。

 ブルーベリーに換算すると60g〜120gで、例えばスーパーやセブンイレブンの冷凍ブルーベリーを一袋食べれば十分な量になります。

 ベリー系は冷凍した方が栄養吸収率が上がる非常に珍しい食材の1つです。

 さらに120gなら1日の糖質量は10g以下で済みますので、糖質を気にしている人にも優しいのでないでしょうか?

ブルーベリーについてまとめ

・ブルーベリーで目は良くならない

・心疾患リスクを下がる

・DNAが修復される

・記憶力が良くなる

・食べる量は100g~120g程度で十分

参考文献

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・Claire M. Williams, Manal Abd El Mohsen, David Vauzour, Catarina Rendeiro, Laurie T. Butler, Judi A. Ellis, Matthew Whiteman, Jeremy P.E. Spencer,Blueberry-induced changes in spatial working memory correlate with changes in hippocampal CREB phosphorylation and brain-derived neurotrophic factor (BDNF) levels,Free Radical Biology and Medicine,Volume 45, Issue 3,
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・McLeay, Yanita et al. “Effect of New Zealand blueberry consumption on recovery from eccentric exercise-induced muscle damage.” Journal of the International Society of Sports Nutrition vol. 9,1 19. 11 Jul. 2012, doi:10.1186/1550-2783-9-19

・Riso, Patrizia et al. “Effect of a wild blueberry (Vaccinium angustifolium) drink intervention on markers of oxidative stress, inflammation and endothelial function in humans with cardiovascular risk factors.” European journal of nutrition vol. 52,3 (2013): 949-61. doi:10.1007/s00394-012-0402-9

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