デスクワークの座り過ぎを防ぐ!健康と生産性を高める5つの対策

 21世紀に突入してからAIやITの発達により、様々な活動が便利になった反面で、その仕事の多くが働いている人に座り過ぎな生活をさせてしまっていることは、もはや周知の事実でしょう。

 しかし、そんな座り過ぎには健康上の悪影響があることもいくつかの研究で証明されていることはご存じでしょうか?

 代表的なものでは、イギリス公衆衛生サービスが「最低でも1日に2時間は立つ必要がある」という国家レベルでガイドラインが出し、最低でも1日に2時間は立つ時間を作り、仕事のあいまに軽いウォーキングを行う。最終的には1日に4時間は立つことを目指すなどが推奨されています

 またイギリス政府は、「できるだけ座る時間を短くすべきだ」という英国の最高医務責任者のアドバイスを支持しているようです。

 他にも座り過ぎの悪影響についてはサンパウロ大の研究などで、54の国から集めた約60万人分の健康データを使い、座り時間と死亡率の人口寄与割合を調査したところ、以下のような結果になりました。

  • 全死亡率の3.8%は座りすぎに関連している
  • 1日に3時間以上座ると「座りすぎ」とみなされる
  • 座りすぎに運動不足が重なると全死亡率との関連は14%になる

 さらにタスマニア大学の実験では、3367人のオフィスワーカーの4週間分の活動記録を集めたところ、レジャー時間や仕事場の満足度といった要素を排除しても、イスに座る時間が長くなるほど精神状態が悪化する傾向が見られたそうです。

 そして長時間座り続けることは、肥満や高血圧、糖尿病、心臓病、脳卒中などのリスクを高めることがあります。

 また、長時間座っていると、腰痛、肩こり、首の痛み、腕のしびれ、眼精疲労などの問題も引き起こす可能性もあります。

 この記事では、座り過ぎについて具体的な対策を紹介し、健康と生産性を高めるための方法を紹介します。

座り過ぎについてのリスク

 さらに座り過ぎには、以下のような健康上のリスクがあります。

  • 肥満:長時間座り続けることは、体重増加の原因となる可能性があります。
  • 高血圧:長時間座っていると、血圧が上昇することがあります。
  • 糖尿病:座り続けることは、インスリンの生産を妨げるため、糖尿病の発症リスクを高めることがあります。
  • 心臓病:座り過ぎは、心臓病のリスクを高めることがあります。
  • 脳卒中:長時間座り続けることは、脳卒中のリスクを高めることがあります。
  • 腰痛:座り過ぎは、腰痛の原因となることがあります。
  • 肩こり、首の痛み、腕のしびれ、眼精疲労などの問題

 また座り過ぎによる健康上のリスクに加えて、生産性の低下も懸念されます。

 長時間座り続けることで、脳や身体が疲れ、集中力や創造力が低下することがあります。

 これらの問題は、業務の効率や品質に悪影響を与える可能性があります。

 仮にこうした座り過ぎの対策ができると、生産性の向上や集中力の低下を防ぐのに大いに役立つと思います。

 実際、短期の実験データによれば、1日に2時間以上のエクササイズか立ち仕事を行えば、心臓や血管の代謝が大きく改善し、消費カロリー、糖代謝、インスリン抵抗性、筋肉の活動といった要因が大きく改善されというの報告もあるので、可能な範囲で座り過ぎを予防すべきでしょう。

座り過ぎの具体的な対策5選

 ただ、会社のデスクを突然スタンディングデスクに変えたり、近所のジムに通い始めるなどをするのは難しいと考える人もいると思いますので、ここからは誰でもできる座り過ぎの簡単な対策をいくつか紹介します。

・適度な運動

 座り過ぎによる健康上のリスクを減らすために、定期的な運動が必要です。

 仕事中には、15分ごとに立ち上がって、軽いストレッチや散歩をするなどの運動を取り入れましょう。

 また、仕事が終わった後には、ジョギングやヨガなどの運動を行うことがおすすめです。

 実際、そして軽い運動を心がける事はメイヨークリニックが出した、1304人の活動量と死亡率の関係を追った研究のプレスリリースなどによると、座り仕事による死亡率を下げられる可能性あるようです。

・座り方の改善

 座り方を改善することで、腰痛や肩こりなどの問題を軽減することができます。

 正しい座り方とは、背中をまっすぐにし、腰を立て、足を床にしっかりとつけることです。

 また、デスクの高さや椅子の高さを調整して、正しい姿勢を保つようにしましょう。

・デスク周りの改善

 デスク周りを改善することで、仕事中の姿勢を改善することができます。

 デスクの高さや椅子の高さを調整するほか、キーボードやマウスを正しい位置に配置し、モニターの位置を調整することも大切です。

また、デスク周りには、ストレッチバンドやエクササイズボールなどの運動器具を置いておき、休憩時間に利用することもおすすめです。

・座り方の変更

 長時間座っていると、身体に負担がかかります。そこで、座り方を変えることで、身体の負担を軽減することができます。

 例としては、椅子に座っているときに足を組み替えたり、足を伸ばしてみたりすることが挙げられます。

 また、椅子に座っているときには、腰の下にクッションを敷いたり、背中にクッションを当てたりすることで、姿勢を改善することもできます。

よくある質問

Q: 座り過ぎによる健康上のリスクは、どのようなものがありますか?

A: 座り過ぎによる健康上のリスクとしては、腰痛、肩こり、頭痛、動脈硬化、糖尿病、肥満などが挙げられます。

2Q: 座り過ぎによるリスクを減らすためには、どのような運動がおすすめですか?

A: 座り過ぎによるリスクを減らすためには、ウォーキング、ジョギング、ヨガ、筋トレなどがおすすめです。運動には、リラックス効果もありますので、仕事中にも取り入れることができます。

まとめ

 座り過ぎによる健康上のリスクや生産性の低下は、現代人にとって深刻な問題となっています。

 しかし、適切な対策を取ることで、これらの問題を解決することができます。

 適度な運動、座り方の改善、デスク周りの改善、座り方の変更など、具体的な対策を取り入れることで、より健康的で効率的な仕事が可能になります。

 皆さんも、ぜひこの記事で紹介した対策を実践して、健康な身体と高い生産性を手に入れましょう。

参考文献

・Michelle Kilpatrick, Kristy Sanderson, Leigh Blizzard, Brook Teale, Alison Venn,Cross-sectional associations between sitting at work and psychological distress: Reducing sitting time may benefit mental health,Mental Health and Physical Activity,2,2013,103-109,1755-2966,https://doi.org/10.1016/j.mhpa.2013.06.004.

・Teychenne, M., Costigan, S.A. & Parker, K. The association between sedentary behaviour and risk of anxiety: a systematic review. BMC Public Health 15, 513 (2015). https://doi.org/10.1186/s12889-015-1843-x

・『All-Cause Mortality Attributable to Sitting Time Analysis of 54 Countries Worldwide』

https://www.ajpmonline.org/article/S0749-3797(16)00048-9/fulltext

・『Physical Fitness Associated with Less Pronounced Effect of Sedentary Behavior』

http://pressroom.cancer.org/ShuvalSedentary

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